目指す仕事の知識は正しいですか?
親子で進路を考える。

近い将来なくなる仕事
時代が求める新しい仕事
昔とは内容が変わった仕事

古い知識やイメージで将来の仕事を考えるのは危険かもしれません。
親も一緒にオープンキャンパスに参加して、将来性を確認してください!

進路選びは、どんな職に就き、安定した収入を得るのかを考える問題です。

中学生、高校生の時期に深く考えなかったことで、進学・就職後に後悔する例が少なからず見受けられます。
 
◯年間8万人を超える大学生が中途退学し、その半数の4万人は非正規雇用となっている事実。
◯高卒就職者の30%が1年以内に離職、3年以内に50%以上が離職している事実。
真剣に考えても失敗することがある時代に、安易な進路決定は不安が高まるばかりです。目標や夢がはっきりしているのが理想ですが、中高生は、時々によって目標も夢も変わるのが当たり前の年代です。親子で、将来を考える会話の機会を作ることが大切です。


親子で価値観が異なるのは当然のこと

進学にしろ就職にしろ、本人が納得していない進路の選択には、大きなリスクがあることを保護者も覚悟しておいてください。子供との向き合い方によっては、自己否定されたと感じるかもしれません。信頼されていないと感じるかもしれません。大人として聞く姿勢が求められます。


専門的職種に対する理解

時代とともになくなる仕事がある一方で、親の時代にはなかった新しい仕事もあります。古い知識や不十分な理解のままでは、親子の話が噛み合わないこともあります。子供と一緒にオープンキャンパスに参加するなど、共通理解を深めるのも大切です。

大学にさえ入れば、将来は安心と誤解している中高生がいるかもしれません。

近年は、学歴よりも正規雇用か非正規雇用かによる差の方が大きくなっています。
メガバンクの大規模な人員削減など、ITやAIによってなくなる仕事も増えています。知識だけでは生き残れない時代に、目的が曖昧な大学進学は、少し考えた方が良さそうです。

「勉強内容に興味が湧かず中退」「やりたいこともなくフリーターになった」という例は決して珍しくありません。ではなぜ興味のない勉強のために進学したのでしょうか?
 
「他にやりたいことがあったのに、親に理解してもらえず、とりあえず大学に進学した」と言う言葉をよく聞きます。子供のためを思ってのアドバイスが、子供の可能性を潰すこともあり得ます。
 
親子で意見が違う時は、親も一緒に学ぶくらいの気持ちが必要かもしれません。

厚労省の調査では、小規模の企業に就職した30%が1年以内に、50%以上が3年以内に離職しています。

親の価値観や給与や休みなどを優先したことで、早期離職繋がることもあります。
 
早期離職の最も多い理由が人間関係です。社会経験の少ない高校生にとって、コミュニケーションは大きなストレスになり得ます。また、仕事にやりがいを感じないことも大きな理由です。
 
一度離職してしまうと、正規雇用での再就職が難しいのが現実です。専門性の高い国家資格の取得など、将来を見据えた準備期間も大切です。

専門学校は職業教育を行う学校です。それだけにしっかりとした目的や想いが必要です。

大学に比べて密度が濃い時間割ですが、目標が明確で、その仕事が好きであればハードに感じることはありません。逆に言えば好きでなければ続かないのが専門学校です。本人の本気度を確認しておくことが大切です。

専門学校を選ぶ際には、保護者の目で、教育内容を確認することも大切です。

専門学校は、時代の要求に応えるため、学習内容を柔軟に変えられるのが特徴です。その反面、同じ分野や学科でも、学校によって学ぶ内容や指導方針が異なります。子供とは違う視点で信頼できる学校かどうか確認してください。

就職率に要注意

大学は偏差値などの目安があり分かりやすいですが、専門学校は、レベルを図る基準がありません。職業教育ですから就職率が目安になりそうですが、実は注意が必要なポイントでもあります。

就職希望者の考え方

A.全ての在学生を就職希望者とする学校。
B.全ての卒業見込み者を就職希望者とする学校。
C.自己申告制で申告がない場合は就職希望者としない学校。
D.就職できない場合は、就職希望者としない学校。
常識的に考えれば、就職のために進学したわけですから[A]か[B]を分母と考えますが、そうではない学校もあります。

内定の考え方

a.正規雇用の内定数
b.契約社員も内定にカウント
c.延べ内定数(一人で複数の内定もカウント)
d.アルバイトや派遣登録も含む
[a]が一般的な内定です。
[b]はエンターテインメントやクリエイティブ系などの業界に多い雇用形態です。
[c]は進学予備校や進学塾などでは一般的ですが、学校では不適切です。
[d]は全く論外です。

就職率ではなく就職者数で確認するのが賢明

◯入学者数に対して、何名が就職したか公表できる学校は、間違いのない学校です。
◯卒業者数に対して、何名が就職したか公表するのが一般的です。

就職率より大切な就職の質

WEBデザイナーを目指す学科で、90%以上がWEB関連の就職であれば、良い指導がされている学校だと判断できます。逆に、就職率が100%でも、WEBと全く関係ない就職先が多い場合、その理由を確認したほうが良いと思います。


意味のある資格取得

資格は受ければ通る趣味程度のものから、合格率10%前後の極めて高いレベルのものまで様々です。
 
◯資格がなければできない職種
◯資格が就職に有利な職種
◯就職には影響しないが学習の進捗を図れる資格
◯就職には関係しない資格
 
看護師や保育士、美容師などは国家資格がなければ仕事ができません。
国家資格の中には、取得していなくても仕事に支障のないものもあります。
 
民間資格の中には、就職にはほとんど関係ないものも多いですが、世界的なIT企業の技術認定資格や、エステティシャンなど業界団体から認定を受けた資格がなければ就職できないものもあります。取得できる資格の数ではなく、意味のある資格を取得する学校であることを確認してください。

イメージや憧れで進路を選ぶリスク

「都会暮らしをしてみたい」「設備や校舎の豪華な学校が良い」など、教育内容や実績とは関係ない観点で学校を選ぶ中高生もいます。残念なことに、専門学校の中には、教育の質より生徒募集を優先しているところもあります。

高額な学費負担の上に、意味のある資格を取得できず、まともな就職ができなくても、自己責任だと言われ、奨学金の返済だけが残ってしまうような事態は避けなければなりません。子供と一緒にオープンキャンパスに参加して、大人の視点で、信頼できる学校かどうか確認してください。

経済的に苦しいから進学は無理と簡単に諦めないでください。

様々な事情があると思いますが、教育は将来大きなリターンを得るための投資です。本人に学びたい意思があるのなら、ギリギリまで方法を考えてみてください。
国の給付奨学金、地方自治体の補助金、低金利や無金利の貸与奨学金など、所得によって利用できる補助制度があります。自宅通学可能な範囲で良心的な学費の学校を探してみてください。1~2年働いて、学費をためて進学する例もあります。親子でしっかりと話し合ってベストな進路を見つけてください。

日本学生支援機構の奨学金をアプリでシミュレーションできます。

スマートフォン用のシミュレーションアプリをダウンロード

高等教育の修学支援新制度/給付型奨学金

◯返済の必要がない給付奨学金
◯入学金の減免
◯授業料の減免

・世帯収入や世帯人数で対象者が決まります。
・3年生の4月に高校から案内があります。
・6月ごろに締め切りになります。(高校により異なります)
自分が支援対象になるかどうかは学生支援機構のサイトでシミュレーションできます。世帯収入などの情報が必要です。

貸与型の奨学金制度です。

第一種奨学金(無利息)

・30,000円〜60,000円
学校種・公立・私立・自宅通学・自宅外通学により貸与金額が異なります。


第二種奨学金(利息つき)

貸与月額を選択できます。
・30,000円
・50,000円
・80,000円
・100,000円
・120,000円


入学時特別増額

第一種または第二種奨学金に加えて、入学した月に一時金として貸与する利息付の奨学金です。日本政策金融公庫の「国の教育ローン」に申し込んだけれども利用できなかった世帯の学生が対象です。


奨学金の返済について理解しよう!

貸与型の奨学金は、必ず返済しなければなりません。無利子や低金利なので借りやすいのですが、長期に渡って返済しなければなりませんのでよく理解しておきましょう。
日本学生支援機構のサイトで返済シミュレーションしてみよう!

お住まいの地域の福祉事務所でご確認ください!